4751 サイバーエージェント 決算分析レポート

2025年9月期第1四半期決算短信

1.【概要】

株式会社サイバーエージェントは、メディア&IP事業、インターネット広告事業、ゲーム事業、投資育成事業を主力事業とする企業です。2025年9月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比5.6%増加し、営業利益も32.1%増加しました。経常利益も35.9%増加していますが、純利益は前年同期比で大きく改善しました。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。

2.【財務項目】

項目2025年9月期第1四半期前年同期比
売上高(Revenue)203,842百万円+5.6%
売上総利益(Gross Profit)53,979百万円+7.9%
営業利益(Operating Income)8,301百万円+32.1%
営業利益率(Operating Margin)4.1%+0.9ポイント
営業外収益・費用(Non-Operating Income/Expenses)505百万円(収益)-287百万円(費用)算出不可
経常利益(Ordinary Income)8,806百万円+35.9%
純利益(Net Income)5,071百万円算出不可
総資産(Total Assets)524,972百万円+0.9%
流動資産(Current Assets)371,160百万円+2.4%
固定資産(Non-Current Assets)153,766百万円-2.7%
流動負債(Current Liabilities)173,182百万円+2.9%
固定負債(Non-Current Liabilities)99,787百万円+1.9%
純資産(Net Assets / Equity)252,002百万円-0.9%
株主資本(Shareholders’ Equity)142,991百万円-2.2%
流動比率(Current Ratio)214.3%+0.3ポイント
自己資本比率(Equity Ratio)29.8%-0.8ポイント
負債比率(Debt Ratio)51.9%+1.3ポイント

3.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】

【売上高(Revenue)の動向】

  • 売上高は前年同期比で5.6%増加しており、特にメディア&IP事業とインターネット広告事業が牽引しています。

【利益率の分析】

  • 営業利益率が4.1%と上昇し、前年比で0.9ポイント改善しました。これは、各事業セグメントでのコスト管理の効果が見られます。
  • 業界平均との比較データは提供されていませんが、利益率の増加は好調な業績を示しています。

【費用の構造】

  • 売上原価は前年同期比で4.8%増加、販売費及び一般管理費も4.5%増加していますが、これらの増加率が売上高の増加率を下回っているため、利益率の改善に寄与しています。

4.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】

【資産の状況】

  • 総資産は0.9%増加しており、特に流動資産の増加が顕著です。これは売掛金や受取手形の増加によるものです。
  • 流動比率が214.3%と高水準を維持しており、短期的な支払能力は問題ないと考えられます。

【負債と資本のバランス】

  • 負債は全体で2.6%増加していますが、純資産は若干減少しています。これは主に配当金の支払いによるものです。
  • 自己資本比率が29.8%と前期から若干低下していますが、依然として健全なレベルです。

【財務の健全性】

  • 長期借入金が微増し、短期借入金も増加していますが、これは事業拡大のための資金調達と考えられます。

5.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】

  • キャッシュフロー計算書の具体的なデータは提供されていませんが、減価償却費やのれんの償却額から、キャッシュフローがどのように形成されているかを推測できます。

6.【総括と投資判断】

【企業の成長性とリスクのバランス】

  • 収益性と成長性は良好で、特にメディア&IP事業とインターネット広告事業が強みです。しかし、ゲーム事業の減収は一つの懸念要因です。

【株価の評価】

  • 具体的な株価情報がないため、P/E比率などでの評価は困難です。

【投資家へのアドバイス】

  • 短期的な投資では、メディアと広告事業の成長に注目すべきですが、長期的にはゲーム事業の回復を見守る必要があります。リスク管理として、多角化ポートフォリオの一環に組み込むことが推奨されます。

7.【分析・評価】

  • 収益性の分析・評価: 評価: 高。営業利益率は改善し、収益性が高い。
  • 安全性の分析・評価: 評価: 中。自己資本比率は健全だが、負債の増加には注意が必要。
  • 生産性の分析・評価: 評価: 中。売上高に対する利益率は良好だが、費用の増加に注意。
  • 効率性の分析・評価: 評価: 高。特に広告とメディア事業での効率的な運営が見られる。
  • 成長性の分析・評価: 評価: 中。全体では成長しているが、セグメントごとのバランスに注意。
  • キャッシュフローの分析・評価: 評価: 算出不可。具体的なキャッシュフローデータがないため。

8.【課題】

  • ゲーム事業の売上減少に対応する新規タイトルの開発や既存タイトルの改善。
  • 投資育成事業の収益性の改善とリスク管理。

9.【結論】

株式会社サイバーエージェントは、特にメディアとインターネット広告事業で強みを示しています。成長性と収益性は魅力的ですが、ゲーム事業の不振や投資育成事業のリスク管理が課題となります。慎重な投資判断が求められますが、長期的視点での投資価値はあると考えられます。