1.【概要】
東邦瓦斯株式会社は、ガス、LPG、電気エネルギーの供給を主力事業とする企業です。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高が前期比+1.5%増加しましたが、営業利益は-23.3%減少、経常利益は-16.6%減少、純利益も-13.5%減少しました。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。
2.【財務項目】
項目 | 数値(百万円) | 前期比 |
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売上高(Revenue) | 460,602 | +1.5% |
売上総利益(Gross Profit) | 119,715 | -4.4% |
営業利益(Operating Income) | 21,806 | -23.3% |
営業利益率(Operating Margin) | 4.7% | -1.6ポイント |
営業外収益・費用(Non-Operating Income/Expenses) | 5,897 | 算出不可 |
経常利益(Ordinary Income) | 27,703 | -16.6% |
純利益(Net Income) | 22,043 | -13.5% |
総資産(Total Assets) | 741,074 | +0.9% |
流動資産(Current Assets) | 185,265 | +2.6% |
固定資産(Non-Current Assets) | 555,809 | +0.3% |
流動負債(Current Liabilities) | 96,033 | +3.2% |
固定負債(Non-Current Liabilities) | 200,157 | +8.4% |
純資産(Net Assets / Equity) | 444,884 | -2.6% |
株主資本(Shareholders’ Equity) | 347,826 | -2.7% |
流動比率(Current Ratio) | 192.9% | -0.7ポイント |
自己資本比率(Equity Ratio) | 60.0% | -2.2ポイント |
負債比率(Debt Ratio) | 40.0% | +2.2ポイント |
3.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】
【売上高(Revenue)の動向】
- 売上高は前期比で+1.5%増加しています。これはガス、LPG、電気の販売量の変動によるものですが、ガスの販売量が減少しているため、全体の伸び率は限定的です。
【利益率の分析】
- 営業利益率は4.7%と前期から1.6ポイント低下しています。これは主に原材料費の増加や販売費・一般管理費の増加による影響です。
【費用の構造】
- 売上原価が前期比で+5.1%増加している一方で、供給販売費及び一般管理費は+1.1%増加しています。これはコスト管理の難しさを示しています。
4.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】
【資産の状況】
- 総資産は前期比で+0.9%増加しており、主に流動資産の増加が寄与しています。
- 流動比率は192.9%と高く、流動性に問題はないと考えられます。
【負債と資本のバランス】
- 自己資本比率は60.0%と前期比で-2.2ポイント低下しており、レバレッジが若干増えています。
- 固定負債の増加は主に社債の増加によるものです。
【財務の健全性】
- 有利子負債の増加が確認され、これがキャッシュフローに影響を与える可能性があります。
- 自己株式の取得により、株主資本が減少しています。
5.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】
【営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow)】
- キャッシュフロー計算書のデータが提供されていないため、詳細な分析はできません。
【投資活動と財務活動のキャッシュフロー】
- 同上。
【フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow, FCF)】
- 同上。
6.【総括と投資判断】
【企業の成長性とリスクのバランス】
- 売上高は増加しているものの、利益率の低下が見られます。エネルギー市場の変動やコスト管理が課題です。
【株価の評価】
- バリュエーション指標のデータが不足しているため、具体的な評価はできません。ただし、利益の減少は株価に影響を与える可能性があります。
【投資家へのアドバイス】
- 短期的には利益率の回復に注目し、長期的にはエネルギー転換の動向や新規事業の進捗を見るべきです。リスク要因として、コスト管理や市場変動があります。
7.【分析・評価】
【収益性の分析・評価】
- 評価: 低下傾向。
- 営業利益: 21,806百万円
- 純利益: 22,043百万円
【安全性の分析・評価】
- 評価: やや不安。
- 自己資本比率: 60.0%
- 流動比率: 192.9%
【生産性の分析・評価】
- 評価: 安定。
- 売上総利益: 119,715百万円
【効率性の分析・評価】
- 評価: 改善の余地あり。
- 供給販売費及び一般管理費: 97,909百万円
【成長性の分析・評価】
- 評価: 限定的な成長。
- 売上高: 460,602百万円
【キャッシュフローの分析・評価】
- 評価: 評価不能(データ不足)。
8.【課題】
- 利益率の回復
- コスト管理の改善
- 投資活動のキャッシュフローの透明性向上
9.【結論】東邦瓦斯株式会社は、売上高の増加が見られるものの、利益率の低下が懸念されます。投資判断には、企業の長期的な戦略や市場の動向、特にエネルギー政策の変化に注意が必要です。また、キャッシュフローの詳細な情報が必要となります。