9533 東邦瓦斯 決算分析レポート

2025年3月期第3四半期決算短信

1.【概要】

東邦瓦斯株式会社は、ガス、LPG、電気エネルギーの供給を主力事業とする企業です。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高が前期比+1.5%増加しましたが、営業利益は-23.3%減少、経常利益は-16.6%減少、純利益も-13.5%減少しました。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。

2.【財務項目】

項目数値(百万円)前期比
売上高(Revenue)460,602+1.5%
売上総利益(Gross Profit)119,715-4.4%
営業利益(Operating Income)21,806-23.3%
営業利益率(Operating Margin)4.7%-1.6ポイント
営業外収益・費用(Non-Operating Income/Expenses)5,897算出不可
経常利益(Ordinary Income)27,703-16.6%
純利益(Net Income)22,043-13.5%
総資産(Total Assets)741,074+0.9%
流動資産(Current Assets)185,265+2.6%
固定資産(Non-Current Assets)555,809+0.3%
流動負債(Current Liabilities)96,033+3.2%
固定負債(Non-Current Liabilities)200,157+8.4%
純資産(Net Assets / Equity)444,884-2.6%
株主資本(Shareholders’ Equity)347,826-2.7%
流動比率(Current Ratio)192.9%-0.7ポイント
自己資本比率(Equity Ratio)60.0%-2.2ポイント
負債比率(Debt Ratio)40.0%+2.2ポイント

3.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】

【売上高(Revenue)の動向】

  • 売上高は前期比で+1.5%増加しています。これはガス、LPG、電気の販売量の変動によるものですが、ガスの販売量が減少しているため、全体の伸び率は限定的です。

【利益率の分析】

  • 営業利益率は4.7%と前期から1.6ポイント低下しています。これは主に原材料費の増加や販売費・一般管理費の増加による影響です。

【費用の構造】

  • 売上原価が前期比で+5.1%増加している一方で、供給販売費及び一般管理費は+1.1%増加しています。これはコスト管理の難しさを示しています。

4.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】

【資産の状況】

  • 総資産は前期比で+0.9%増加しており、主に流動資産の増加が寄与しています。
  • 流動比率は192.9%と高く、流動性に問題はないと考えられます。

【負債と資本のバランス】

  • 自己資本比率は60.0%と前期比で-2.2ポイント低下しており、レバレッジが若干増えています。
  • 固定負債の増加は主に社債の増加によるものです。

【財務の健全性】

  • 有利子負債の増加が確認され、これがキャッシュフローに影響を与える可能性があります。
  • 自己株式の取得により、株主資本が減少しています。

5.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】

【営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow)】

  • キャッシュフロー計算書のデータが提供されていないため、詳細な分析はできません。

【投資活動と財務活動のキャッシュフロー】

  • 同上。

【フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow, FCF)】

  • 同上。

6.【総括と投資判断】

【企業の成長性とリスクのバランス】

  • 売上高は増加しているものの、利益率の低下が見られます。エネルギー市場の変動やコスト管理が課題です。

【株価の評価】

  • バリュエーション指標のデータが不足しているため、具体的な評価はできません。ただし、利益の減少は株価に影響を与える可能性があります。

【投資家へのアドバイス】

  • 短期的には利益率の回復に注目し、長期的にはエネルギー転換の動向や新規事業の進捗を見るべきです。リスク要因として、コスト管理や市場変動があります。

7.【分析・評価】

【収益性の分析・評価】

  • 評価: 低下傾向。
  • 営業利益: 21,806百万円
  • 純利益: 22,043百万円

【安全性の分析・評価】

  • 評価: やや不安。
  • 自己資本比率: 60.0%
  • 流動比率: 192.9%

【生産性の分析・評価】

  • 評価: 安定。
  • 売上総利益: 119,715百万円

【効率性の分析・評価】

  • 評価: 改善の余地あり。
  • 供給販売費及び一般管理費: 97,909百万円

【成長性の分析・評価】

  • 評価: 限定的な成長。
  • 売上高: 460,602百万円

【キャッシュフローの分析・評価】

  • 評価: 評価不能(データ不足)。

8.【課題】

  • 利益率の回復
  • コスト管理の改善
  • 投資活動のキャッシュフローの透明性向上

9.【結論】東邦瓦斯株式会社は、売上高の増加が見られるものの、利益率の低下が懸念されます。投資判断には、企業の長期的な戦略や市場の動向、特にエネルギー政策の変化に注意が必要です。また、キャッシュフローの詳細な情報が必要となります。