1.【概要】
商船三井(9104)は、海運業を主力事業とする企業です。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比で増加し、営業利益も改善しています。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。
2.【業績予想】
- 売上高:1兆7900億円(前期比+10.0%)
- 営業利益:1540億円(前期比+49.3%)
- 経常利益:410億円(前期比+58.3%)
- 純利益:400億円(前期比+52.9%)
3.【財務項目】
項目 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
---|---|---|
売上高(Revenue) | 1,318,676 | +8.2% |
売上総利益(Gross Profit) | 374,869 | +90.0% |
営業利益(Operating Income) | 122,321 | +52.7% |
営業利益率(Operating Margin) | 9.3% | +2.6% |
経常利益(Ordinary Income) | 120,364 | +50.2% |
純利益(Net Income) | 80,126 | +3.1% |
総資産(Total Assets) | 4,623,361 | +12.3% |
流動資産(Current Assets) | 1,019,350 | +80.8% |
固定資産(Non-Current Assets) | 3,604,011 | +8.1% |
流動負債(Current Liabilities) | 1,017,260 | +81.3% |
固定負債(Non-Current Liabilities) | 2,604,232 | +10.0% |
純資産(Net Assets / Equity) | 1,218,664 | -0.1% |
株主資本(Shareholders’ Equity) | 1,218,664 | -0.1% |
流動比率(Current Ratio) | 100.2% | +0.2% |
自己資本比率(Equity Ratio) | 26.4% | -3.3% |
負債比率(Debt Ratio) | 73.6% | +3.3% |
4.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】
項目 | 分析結果 |
---|---|
売上高(Revenue)の動向 | 売上高は前年同期比で8.2%増加しており、堅調な成長を見せています。 |
利益率の分析 | 営業利益率が約2.6%上昇しており、利益率の改善が見られます。 |
費用の構造 | 営業利益の増加が売上高増加を上回るペースで進んでおり、費用の効率化が進んでいる可能性があります。 |
5.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】
項目 | 分析結果 |
---|---|
資産の状況 | 総資産は前年同期比で12.3%増加し、特に流動資産が80.8%増加しています。 |
負債と資本のバランス | 流動負債も増加しているため、流動比率はほぼ変わらず、自己資本比率は若干低下しています。 |
財務の健全性 | 負債比率が増加しているため、財務の安全性に一部の懸念が見られます。 |
6.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】
項目 | 分析結果 |
---|---|
営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow) | 分析不可 |
投資活動と財務活動のキャッシュフロー | 分析不可 |
フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow, FCF) | 分析不可 |
7.【分析・評価】
項目 | 評価 | 理由 |
---|---|---|
収益性 | 高評価 | 売上高および営業利益の前年比増加から。 |
安全性 | 中評価 | 負債比率の増加により、安全性に懸念が生じています。 |
生産性 | 分析不可 | データ不足。 |
効率性 | 中評価 | 営業利益率の向上から効率が改善していると見られる。 |
成長性 | 高評価 | 売上高の増加と利益率の改善が見られるため。 |
キャッシュフロー | 分析不可 | データ不足。 |
8.【総括と投資判断】
【企業の成長性とリスクのバランス】
- 収益性と成長性は高く評価されますが、負債比率の増加により財務の安全性に一部の懸念が見られます。
【株価の評価】
- 具体的なバリュエーション指標が記載されていないため、現在の株価が割安か割高かの判断は難しいです。
【投資家へのアドバイス】
- 短期的には成長性が高いため、ポジティブなポジションを考慮する価値がありますが、長期的な投資にはさらに詳細な財務データ、特にキャッシュフローの情報が必要です。リスク要因として、特に負債の増加に注意が必要です。
9.【課題】
- キャッシュフローに関する情報が不足しているため、全体の財務健康状態を完全に評価できません。
10.【結論】
商船三井の2025年3月期第3四半期決算は、売上高や営業利益が前年同期比で大幅に増加し、業績予想もポジティブな成長を示しています。しかし、負債比率の増加が財務の安全性に影響を及ぼしているため、投資判断は慎重に行うべきです。特にリスク回避を重視する投資家は、キャッシュフローや流動性の詳細情報を確認することを推奨します。