1.【概要】 :
清水建設株式会社は、建設事業や投資開発事業を主力事業とする企業です。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比8.3%減少し、営業利益は黒字転換しましたが、経常利益や純利益も増加しています。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。
2.【業績予想】 :
- 売上高: 1,860,000百万円（△7.3%）
- 営業利益: 56,000百万円
- 経常利益: 54,000百万円
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 60,000百万円（249.6%）
- 1株当たり当期純利益: 85.97円
3.【財務項目】 :
| 財務項目 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上高 Revenue | 1,327,922 | -8.3 |
| 売上総利益 Gross Profit | 121,833 | 346.3 |
| 営業利益 Operating Income | 35,726 | 168.8 |
| 営業利益率 Operating Margin | 2.7% | 168.8 |
| 営業外収益・費用 Non-Operating Income/Expenses | 5,478 | 5.9 |
| 経常利益 Ordinary Income | 41,204 | 187.7 |
| 純利益 Net Income | 40,569 | 294.5 |
| 総資産 Total Assets | 2,514,107 | -1.0 |
| 流動資産 Current Assets | 1,483,016 | 0.8 |
| 固定資産 Non-Current Assets | 1,031,090 | -3.5 |
| 流動負債 Current Liabilities | 1,250,921 | 5.3 |
| 固定負債 Non-Current Liabilities | 343,922 | -14.5 |
| 純資産 Net Assets / Equity | 919,263 | -3.0 |
| 株主資本 Shareholders’ Equity | 678,808 | 0.2 |
| 流動比率 Current Ratio | 1.19 | -4.2 |
| 自己資本比率 Equity Ratio | 34.1% | -0.9 |
| 負債比率 Debt Ratio | 63.4% | 0.9 |
4.【損益計算書（Income Statement）からの洞察】 :
| 項目 | 分析結果 |
|---|---|
| 売上高（Revenue）の動向 | 売上高は前年同期比8.3%減少。主に完成工事高の減少が影響。 |
| 利益率の分析 | 営業利益率は2.7%で、前年同期の損失から黒字転換。工事採算の改善が寄与。 |
| 費用の構造 | 販売費及び一般管理費は86,107百万円で、前年同期比8.7%増加。 |
5.【貸借対照表（Balance Sheet）からの洞察】 :
| 項目 | 分析結果 |
|---|---|
| 資産の状況 | 総資産は2,514,107百万円で、前年同期比1.0%減少。投資有価証券の減少が主因。 |
| 負債と資本のバランス | 流動負債は1,250,921百万円で、前年同期比5.3%増加。 |
| 財務の健全性 | 自己資本比率は34.1%で、前年同期比0.9ポイント低下。 |
6.【キャッシュフロー計算書（Cash Flow Statement）からの洞察】 :
| 項目 | 分析結果 |
|---|---|
| 営業キャッシュフロー（Operating Cash Flow） | 算出不可 |
| 投資活動と財務活動のキャッシュフロー | 算出不可 |
| フリー・キャッシュフロー（Free Cash Flow, FCF） | 算出不可 |
7.【分析・評価】 :
| 項目 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 収益性 | 改善 | 営業利益が黒字転換し、経常利益も大幅に増加。 |
| 安全性 | やや低下 | 自己資本比率が34.1%と前年同期比0.9ポイント低下。 |
| 生産性 | 改善 | 売上総利益率が9.2%と前年同期比大幅改善。 |
| 効率性 | やや低下 | 流動比率が1.19と前年同期比4.2%低下。 |
| 成長性 | 低下 | 売上高が前年同期比8.3%減少。 |
| キャッシュフロー | 算出不可 | キャッシュフロー計算書のデータ不足。 |
8.【総括と投資判断】 :
【企業の成長性とリスクのバランス】
- 収益性は改善しているが、売上高の減少や自己資本比率の低下が懸念材料。
- 業界動向としては、建設資材やエネルギー価格の上昇が引き続き影響を与える可能性あり。
【株価の評価】
- P/E比率やP/B比率などのバリュエーション指標は算出不可。
- 現在の株価が割安か割高かは判断できない。
【投資家へのアドバイス】
- 短期的には営業利益の改善が株価にプラスに働く可能性あり。
- 長期的には売上高の減少や自己資本比率の低下に注意が必要。
9.【課題】:
- 売上高の減少傾向が続いている。
- 自己資本比率の低下が財務健全性に影響を与える可能性あり。
10.【結論】:
清水建設株式会社の2025年3月期第3四半期の業績は、営業利益が黒字転換し、経常利益も大幅に増加するなど、収益性が改善しています。しかし、売上高の減少や自己資本比率の低下が懸念材料です。短期的には営業利益の改善が株価にプラスに働く可能性がありますが、長期的には売上高の減少や財務健全性の低下に注意が必要です。投資判断に際しては、これらの要素を総合的に考慮することが重要です。