1.【概要】 :
株式会社ミスミグループ本社は、FA事業、金型部品事業、VONA事業を主力事業とする企業です。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比10.5%増加し、営業利益も25.1%増加しました。経常利益や純利益もそれぞれ24.9%、25.6%増加しています。本レポートでは、財務状況や業績動向を詳細に分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。
2.【業績予想】 :
- 売上高: 401,200百万円(前年同期比9.1%増)
- 営業利益: 49,100百万円(前年同期比28.0%増)
- 経常利益: 51,600百万円(前年同期比25.0%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 37,100百万円(前年同期比31.8%増)
- 1株当たり当期純利益: 134.67円
3.【財務項目】 :
財務項目 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
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売上高 Revenue | 301,585 | +10.5 |
売上総利益 Gross Profit | 140,825 | +13.8 |
営業利益 Operating Income | 36,150 | +25.1 |
営業利益率 Operating Margin | 12.0% | +1.4 |
営業外収益・費用 Non-Operating Income/Expenses | 3,643 / 888 | +20.4 / +15.0 |
経常利益 Ordinary Income | 38,904 | +24.9 |
純利益 Net Income | 28,213 | +25.6 |
総資産 Total Assets | 421,599 | +2.0 |
流動資産 Current Assets | 318,220 | +1.5 |
固定資産 Non-Current Assets | 103,379 | +3.2 |
流動負債 Current Liabilities | 49,519 | -0.8 |
固定負債 Non-Current Liabilities | 16,094 | +1.2 |
純資産 Net Assets / Equity | 355,985 | +2.4 |
株主資本 Shareholders’ Equity | 295,328 | -0.2 |
流動比率 Current Ratio | 6.43 | +0.2 |
自己資本比率 Equity Ratio | 83.7% | +0.4 |
負債比率 Debt Ratio | 15.6% | -0.3 |
4.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】 :
項目 | 分析結果 |
---|---|
売上高(Revenue)の動向 | 売上高は10.5%増加し、特にFA事業が16.5%増加と大きく貢献。 |
利益率の分析 | 営業利益率は12.0%で1.4ポイント増加し、効率性が向上。 |
費用の構造 | 販売費及び一般管理費は104,675百万円で10.4%増加。売上高増加に伴う支出増。 |
5.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】 :
項目 | 分析結果 |
---|---|
資産の状況 | 総資産は2.0%増加し、現金及び預金が3.0%増加。 |
負債と資本のバランス | 総負債は0.3%減少し、純資産は2.4%増加。財務健全性が向上。 |
財務の健全性 | 自己資本比率は83.7%で0.4ポイント増加し、財務基盤が強化。 |
6.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】 :
項目 | 分析結果 |
---|---|
営業キャッシュフロー(Operating Cash Flow) | 42,917百万円の純収入で、前年同期比12.5%増加。 |
投資活動と財務活動のキャッシュフロー | 投資活動によるキャッシュフローは-26,092百万円、財務活動は-31,345百万円。 |
フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow, FCF) | 算出不可。 |
7.【分析・評価】 :
項目 | 評価 | 理由 |
---|---|---|
収益性 | 良好 | 売上高、営業利益、純利益が全て増加。 |
安全性 | 高い | 自己資本比率が83.7%と非常に高い。 |
生産性 | 向上 | 営業利益率が12.0%に向上。 |
効率性 | 良好 | 売上高増加に伴い、費用増加はあるが利益率が向上。 |
成長性 | 高い | 売上高、利益ともに2桁成長。 |
キャッシュフロー | 良好 | 営業キャッシュフローが増加し、資金繰りが安定。 |
8.【総括と投資判断】 :
【企業の成長性とリスクのバランス】
- 収益性、成長性、財務健全性を総合的に評価すると、ミスミグループは高い成長性と安定した財務基盤を持っています。
- 業界動向や競争環境との関連性では、自動車関連や通信関連の需要が堅調で、特に中国やアジア市場での成長が期待できます。
【株価の評価】
- P/E比率、P/B比率、P/CF比率などのバリュエーション指標は、現在の株価が割安か割高かを評価するために重要な指標です。ただし、具体的な数値は算出不可です。
【投資家へのアドバイス】
- 短期的なポジションと長期的なポテンシャルの観点から、ミスミグループは長期的な投資先として有望です。
- リスク要因と見返りを考慮した投資判断として、業績の堅調さと財務健全性から、リスクは低いと評価できます。
9.【課題】:
- 欧米市場の回復が遅れており、今後の業績に影響を与える可能性があります。
- 投資活動によるキャッシュフローの支出が大きく、今後の投資効率に注意が必要です。
10.【結論】:
株式会社ミスミグループ本社は、2025年3月期第3四半期において、売上高、営業利益、純利益が全て前年同期比で2桁の成長を達成しました。特にFA事業が大きく貢献し、中国やアジア市場での需要が堅調です。財務面では自己資本比率が83.7%と非常に高く、財務健全性が高いことが特徴です。キャッシュフローも安定しており、資金繰りに問題はありません。ただし、欧米市場の回復が遅れている点や、投資活動によるキャッシュフローの支出が大きい点には注意が必要です。総合的に見て、ミスミグループは長期的な投資先として有望であり、リスクは低いと評価できます。