6770 アルプスアルパイン 決算分析レポート

2025年3月期第3四半期決算短信

1.【概要】:

アルプスアルパインは、車載用電子部品、モバイル機器向け部品、民生機器向け部品などを幅広く手掛ける電子部品メーカーです。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高は前年同期比0.7%増とほぼ横ばいでしたが、営業利益は22.9%増と大幅な増益を達成しました。これは、円安効果や民生市場向け製品、モバイル市場向け製品の需要増加、車載市場向け製品の拡販などが寄与しました。

2.【業績予想】:

項目金額 (百万円)前期比 (%)
売上高980,000+1.7
営業利益28,000+42.1
経常利益24,000-3.3
親会社株主に帰属する当期純利益32,000算出不可
1株当たり当期純利益155.62円算出不可

3.【財務項目】:

財務項目金額 (百万円)前年同期比 (%)
売上高740,616+0.7
売上総利益130,518+0.2
営業利益25,295+22.9
営業利益率3.4%+0.7pt
経常利益24,459+2.2
純利益9,912算出不可
総資産733,158-2.8
流動資産467,334-5.0
固定資産265,823+1.3
流動負債232,406-6.2
固定負債95,738-15.6
純資産405,013+3.1
株主資本320,419+0.5
自己資本比率55.0%+3.1pt
負債比率80.8%-11.1pt

4.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】:

項目分析結果
売上高ほぼ横ばい。円安効果や一部製品の需要増加でカバー。
売上総利益ほぼ横ばい。売上高の伸び悩みと原価上昇の影響。
営業利益大幅増益。円安効果や販管費の抑制が貢献。
営業利益率改善。収益性の向上を示唆。
経常利益わずかな増益。営業外費用の増加が利益を圧迫。
純利益黒字転換。前年の特別損失が影響。

5.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】:

項目分析結果
総資産減少。主に流動資産の減少が影響。
流動資産減少。現預金やその他流動資産が減少。
固定資産わずかに増加。有形固定資産が増加。
流動負債減少。その他流動負債や未払費用が減少。
固定負債大幅に減少。長期借入金が減少。
純資産増加。利益剰余金やその他包括利益が増加。
自己資本比率改善。財務基盤が強化。

6.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】:

四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。

7.【分析・評価】:

項目評価理由
収益性改善営業利益率が向上。
安全性改善自己資本比率が向上、負債比率が低下。
成長性要評価売上高の伸び悩み、今後の成長戦略に注目。
キャッシュフロー分析不可キャッシュフロー計算書が未作成のため。

8.【総括と投資判断】:

アルプスアルパインは、第3四半期において、円安効果や一部製品の需要増加により、売上高はほぼ横ばいながらも営業利益を大幅に増加させました。財務面では、自己資本比率が改善し、財務基盤が強化されました。しかし、売上高の伸び悩みや今後の成長戦略については注視が必要です。

投資判断としては、現時点では中立的な評価となります。業績の改善傾向や財務状況の安定化は評価できますが、今後の成長戦略やキャッシュフローの状況を確認する必要があります。投資を検討する場合には、これらの点を総合的に考慮し、慎重に判断することが重要です。

9.【課題】:

  • 売上高の伸び悩み。
  • キャッシュフロー計算書が未作成のため、キャッシュフローの状況が不明。
  • 今後の成長戦略が明確に示されていない。

10.【結論】:

アルプスアルパインの第3四半期決算は、営業利益の大幅増益や財務状況の改善が見られ、一定の評価ができます。しかし、売上高の伸び悩みや今後の成長戦略など、課題も残されています。投資判断を行う際には、これらの点を総合的に考慮し、慎重な判断が求められます。