1.【概要】:
アルプスアルパインは、車載用電子部品、モバイル機器向け部品、民生機器向け部品などを幅広く手掛ける電子部品メーカーです。2025年3月期第3四半期の業績は、売上高は前年同期比0.7%増とほぼ横ばいでしたが、営業利益は22.9%増と大幅な増益を達成しました。これは、円安効果や民生市場向け製品、モバイル市場向け製品の需要増加、車載市場向け製品の拡販などが寄与しました。
2.【業績予想】:
項目 | 金額 (百万円) | 前期比 (%) |
---|---|---|
売上高 | 980,000 | +1.7 |
営業利益 | 28,000 | +42.1 |
経常利益 | 24,000 | -3.3 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 32,000 | 算出不可 |
1株当たり当期純利益 | 155.62円 | 算出不可 |
3.【財務項目】:
財務項目 | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
---|---|---|
売上高 | 740,616 | +0.7 |
売上総利益 | 130,518 | +0.2 |
営業利益 | 25,295 | +22.9 |
営業利益率 | 3.4% | +0.7pt |
経常利益 | 24,459 | +2.2 |
純利益 | 9,912 | 算出不可 |
総資産 | 733,158 | -2.8 |
流動資産 | 467,334 | -5.0 |
固定資産 | 265,823 | +1.3 |
流動負債 | 232,406 | -6.2 |
固定負債 | 95,738 | -15.6 |
純資産 | 405,013 | +3.1 |
株主資本 | 320,419 | +0.5 |
自己資本比率 | 55.0% | +3.1pt |
負債比率 | 80.8% | -11.1pt |
4.【損益計算書(Income Statement)からの洞察】:
項目 | 分析結果 |
---|---|
売上高 | ほぼ横ばい。円安効果や一部製品の需要増加でカバー。 |
売上総利益 | ほぼ横ばい。売上高の伸び悩みと原価上昇の影響。 |
営業利益 | 大幅増益。円安効果や販管費の抑制が貢献。 |
営業利益率 | 改善。収益性の向上を示唆。 |
経常利益 | わずかな増益。営業外費用の増加が利益を圧迫。 |
純利益 | 黒字転換。前年の特別損失が影響。 |
5.【貸借対照表(Balance Sheet)からの洞察】:
項目 | 分析結果 |
---|---|
総資産 | 減少。主に流動資産の減少が影響。 |
流動資産 | 減少。現預金やその他流動資産が減少。 |
固定資産 | わずかに増加。有形固定資産が増加。 |
流動負債 | 減少。その他流動負債や未払費用が減少。 |
固定負債 | 大幅に減少。長期借入金が減少。 |
純資産 | 増加。利益剰余金やその他包括利益が増加。 |
自己資本比率 | 改善。財務基盤が強化。 |
6.【キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)からの洞察】:
四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
7.【分析・評価】:
項目 | 評価 | 理由 |
---|---|---|
収益性 | 改善 | 営業利益率が向上。 |
安全性 | 改善 | 自己資本比率が向上、負債比率が低下。 |
成長性 | 要評価 | 売上高の伸び悩み、今後の成長戦略に注目。 |
キャッシュフロー | 分析不可 | キャッシュフロー計算書が未作成のため。 |
8.【総括と投資判断】:
アルプスアルパインは、第3四半期において、円安効果や一部製品の需要増加により、売上高はほぼ横ばいながらも営業利益を大幅に増加させました。財務面では、自己資本比率が改善し、財務基盤が強化されました。しかし、売上高の伸び悩みや今後の成長戦略については注視が必要です。
投資判断としては、現時点では中立的な評価となります。業績の改善傾向や財務状況の安定化は評価できますが、今後の成長戦略やキャッシュフローの状況を確認する必要があります。投資を検討する場合には、これらの点を総合的に考慮し、慎重に判断することが重要です。
9.【課題】:
- 売上高の伸び悩み。
- キャッシュフロー計算書が未作成のため、キャッシュフローの状況が不明。
- 今後の成長戦略が明確に示されていない。
10.【結論】:
アルプスアルパインの第3四半期決算は、営業利益の大幅増益や財務状況の改善が見られ、一定の評価ができます。しかし、売上高の伸び悩みや今後の成長戦略など、課題も残されています。投資判断を行う際には、これらの点を総合的に考慮し、慎重な判断が求められます。